あなたのことは絶対に好きになれない!
太陽が西から昇るくらいに有り得ない話だと思った。

私が? オウスケくんと? 付き合う?


ないないない。

有り得なさすぎてちょっと固まってしまった。


ていうか、今のオウスケくんはオフィスの王子様なんでしょ? 彼女くらい普通にいるんじゃないの?
あ、そういえばさっき店長さんが『遂に彼女出来たのか』って言ってたっけ。ということは、彼女はいないってことか。まあ、関係ないけど……。


そのまま私が何も答えないでいると、彼が「返事は?」なんて急かしてくる。


どう答えたらいいのか分からなくて、「……私なんかを彼女にしなくたって、女性には困らないでしょう」と答えた。オウスケくんが本気で私に告白してるとは思えなかったし……。


すると。


「俺は大人になった今でも、好きな子はいじめたいんだよ」

「はい?」

「正直、かなりモテる人生を送っているけど、いじめたいなって思う女性には巡り会えてない。だから今は彼女もいない」

「素敵なご趣味ですね……」

段々イライラしてきてしまって、遂にハッキリと嫌味を言ってしまった。


あれ? でも……好きな子をいじめたいって思っていて、私に対する態度がSっ気たっぷりで意地悪ということは……



オウスケくん、本当に私のこと……




「初恋の女の子がまた俺の前に現れて、正直運命だと思った。また好きだと思った」



や、やっぱりー⁉︎



だけど、だけど……





付き合うのは絶対に無理‼︎
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