キミと初恋。
「あっ、そうそう」
先輩は花の香りを確かめながら、やんわりと微笑んでこう言った。
「前にさ、あたし青井に謝られたんだよね」
「……えっ?」
なんの話だろう、そう思って首を傾げていると先輩はさらにこう言った。
「適当に付き合ってた事と、ちゃんと別れよう……みたいな事をね」
「へぇ……それ、いつですか?」
「いつだっけな? 多分あんたが嫌がらせ受けてた後くらいじゃない?」
「そう、ですか」
「聞くところによるとあたしだけじゃなくってみんなに言ってまわってたみたいだけどねー。あれで告られる回数また増えてたんじゃない? 再トライみたいな」
先輩はははっと笑いながら、ガーベラを小さく振って、去って行った。
そっか。そっかそっか。颯ちゃんはちゃんと前を向き出してたって事だ。別に私が風よけなんかにならなくっても、ちゃんと。
……それを、どこかやっぱり悲しく思う私もいる。いつまでも傷心者ではダメだなぁ。
すっかり止んでしまった雪。空は厚い雲に覆われて、曇天だ。
私の気持ちは、いつになったら晴れるかな。
すっきりしたのも事実だけど、寂しく思うのも事実。センチメンタルな私は、気分を紛らわそうと珍しくポケットからケータイを取り出した。
この花壇の様子を写真に収めておこうと思って。定期的にやってる写真撮影。そのつもりだった。
すると、私のケータイ画面にはメッセージバッチが表示されていた。
先輩は花の香りを確かめながら、やんわりと微笑んでこう言った。
「前にさ、あたし青井に謝られたんだよね」
「……えっ?」
なんの話だろう、そう思って首を傾げていると先輩はさらにこう言った。
「適当に付き合ってた事と、ちゃんと別れよう……みたいな事をね」
「へぇ……それ、いつですか?」
「いつだっけな? 多分あんたが嫌がらせ受けてた後くらいじゃない?」
「そう、ですか」
「聞くところによるとあたしだけじゃなくってみんなに言ってまわってたみたいだけどねー。あれで告られる回数また増えてたんじゃない? 再トライみたいな」
先輩はははっと笑いながら、ガーベラを小さく振って、去って行った。
そっか。そっかそっか。颯ちゃんはちゃんと前を向き出してたって事だ。別に私が風よけなんかにならなくっても、ちゃんと。
……それを、どこかやっぱり悲しく思う私もいる。いつまでも傷心者ではダメだなぁ。
すっかり止んでしまった雪。空は厚い雲に覆われて、曇天だ。
私の気持ちは、いつになったら晴れるかな。
すっきりしたのも事実だけど、寂しく思うのも事実。センチメンタルな私は、気分を紛らわそうと珍しくポケットからケータイを取り出した。
この花壇の様子を写真に収めておこうと思って。定期的にやってる写真撮影。そのつもりだった。
すると、私のケータイ画面にはメッセージバッチが表示されていた。