キミと初恋。
「あ、やっぱり。あんただと思った」
そんな風に背後から声をかけてきたのは、颯ちゃんの元カノである3年の先輩。
「こんなとこで何やってんのさ?」
いつだったか先輩に水をかけられた事もあったっけ。そんな懐かしい事を思い出しながら、私は先輩の問いに答えた。
「明日から学校休みなので、一応花壇を見に来たんです」
「えっ、この花壇あんたが手入れしてんの?」
「まぁ、一応園芸部員なので……」
先輩はへぇ、なんて言って花壇を見つめてる。
「これ、ガーベラってやつ?」
「あっ、はい。そうです」
ガーベラは花壇荒らしに遭った後颯ちゃんが植えてくれたもの。上手くいけば一年に二度も咲く花だけど、これから咲くはずのガーベラの蕾の一つがすでに咲き始めてた。
「ねぇ、これもらってもいい? 卒業の祝いってやつで」
「はい、まぁ、いいですよ」
私は一輪のガーベラを切って、先輩に渡した。
「家に帰ったら花瓶に差してあげて下さいね」
「分かってるって」
オレンジ色のガーベラは、なんとなく先輩によく似合うなって思った。感情の起伏が激しい先輩だと思ったけど、私が嫌がらせを受けてる時、わざわざ良くも思ってない相手に颯ちゃんの情報を教えてくれたりした。
『ーーあたしが青井と別れたキッカケ、教えてあげようか』
あれはきっと、先輩なりの励ましだったんじゃないかと思う。
気性が激しい先輩も、ただ颯ちゃんが好きだったってだけなんだ。
水はかけられたけど、先輩は唯一直接私に向かって文句を言った人でもあるんだ。
そんな風に背後から声をかけてきたのは、颯ちゃんの元カノである3年の先輩。
「こんなとこで何やってんのさ?」
いつだったか先輩に水をかけられた事もあったっけ。そんな懐かしい事を思い出しながら、私は先輩の問いに答えた。
「明日から学校休みなので、一応花壇を見に来たんです」
「えっ、この花壇あんたが手入れしてんの?」
「まぁ、一応園芸部員なので……」
先輩はへぇ、なんて言って花壇を見つめてる。
「これ、ガーベラってやつ?」
「あっ、はい。そうです」
ガーベラは花壇荒らしに遭った後颯ちゃんが植えてくれたもの。上手くいけば一年に二度も咲く花だけど、これから咲くはずのガーベラの蕾の一つがすでに咲き始めてた。
「ねぇ、これもらってもいい? 卒業の祝いってやつで」
「はい、まぁ、いいですよ」
私は一輪のガーベラを切って、先輩に渡した。
「家に帰ったら花瓶に差してあげて下さいね」
「分かってるって」
オレンジ色のガーベラは、なんとなく先輩によく似合うなって思った。感情の起伏が激しい先輩だと思ったけど、私が嫌がらせを受けてる時、わざわざ良くも思ってない相手に颯ちゃんの情報を教えてくれたりした。
『ーーあたしが青井と別れたキッカケ、教えてあげようか』
あれはきっと、先輩なりの励ましだったんじゃないかと思う。
気性が激しい先輩も、ただ颯ちゃんが好きだったってだけなんだ。
水はかけられたけど、先輩は唯一直接私に向かって文句を言った人でもあるんだ。