キミと初恋。
「し、信じらんない……絶対その子下心あるに決まってんじゃん! もしくは今、青井の隣に座って優越感にでも浸ってんじゃない?」

「そんなのありませんから!」


そんなこのポジションにつけ込んで……なんていう下心なんてないし、ましてや優越感なんてある訳ない。

この席、座ってみてよく分かったけど、なんて居心地の悪いことか。

これが彼女としてここにいるのなら別かもしれない。先輩の隣に座るのが一種のステータスでもあるし、その座に就きたくて付き合う子がいる事は私だって知ってる。

でも私はただの友達で、その一線を超えてはならないし、超えたいとも思っていない。

そう、正真正銘ただの友達としてここにいて、それなのに元カノには悪絡みされるし、野次馬には陰口言われてるし、好奇な目で見られるし。

先輩が友達としてでもここに私を置きたい理由がやっと分かってきた。

先輩の友達役って、なかなか大変で割に合わない。


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