キミと初恋。
まぁ、そんなもんだよね。というか今更思い出されたところでこまるんだけど。
そうは思ってもやっぱり少し落ち込んでしまう。そんな風に思っていた時、ふと目に止まったのは凛と立つ黄色い花。
「あっ、ユリの花だ」
道路沿いの家の庭にいくつか咲いているそれは、春から夏の終わりにかけて咲く花。
「もう8月も終わったのに、まだ咲いてるんだ」
今は9月の初め。ユリも種類があるからよりけりだけど、9月まで咲いていることはまずない。
「ああ、今年は暑くなるのが遅かったからかもな」
私の肩越しにその花を見てる先輩はとても意外そうにこう言った。
「花に詳しいんだな」
「一応園芸部ですから」
「はっ? 空手部じゃなく?」
「うちの学校に空手部なんてありませんから。どんだけ無頓着なんですか。しかも私が空手をしてたのは中学までです」
「知るかよ。俺、帰宅部だし。そもそも園芸部なんてのあったのか」
「部員二人ですけどね」
高校では園芸部に入りたくて、元々無かったものを担任の先生に頼んで作って貰った。
だから部員は私と、いやいや入らされたりょうちんの二人だけ。
しかもいやいや入らされたりょうちんは完全にユーレイ部員だし。
活動内容だって花の水やりや花壇の雑草掃除やらそういう雑務的な事ばかり。
だけど月に何度かは部費で好きな花を買っては植えれるし、教室に花を生けたりする事もできるから、私はとても満足している。
そうは思ってもやっぱり少し落ち込んでしまう。そんな風に思っていた時、ふと目に止まったのは凛と立つ黄色い花。
「あっ、ユリの花だ」
道路沿いの家の庭にいくつか咲いているそれは、春から夏の終わりにかけて咲く花。
「もう8月も終わったのに、まだ咲いてるんだ」
今は9月の初め。ユリも種類があるからよりけりだけど、9月まで咲いていることはまずない。
「ああ、今年は暑くなるのが遅かったからかもな」
私の肩越しにその花を見てる先輩はとても意外そうにこう言った。
「花に詳しいんだな」
「一応園芸部ですから」
「はっ? 空手部じゃなく?」
「うちの学校に空手部なんてありませんから。どんだけ無頓着なんですか。しかも私が空手をしてたのは中学までです」
「知るかよ。俺、帰宅部だし。そもそも園芸部なんてのあったのか」
「部員二人ですけどね」
高校では園芸部に入りたくて、元々無かったものを担任の先生に頼んで作って貰った。
だから部員は私と、いやいや入らされたりょうちんの二人だけ。
しかもいやいや入らされたりょうちんは完全にユーレイ部員だし。
活動内容だって花の水やりや花壇の雑草掃除やらそういう雑務的な事ばかり。
だけど月に何度かは部費で好きな花を買っては植えれるし、教室に花を生けたりする事もできるから、私はとても満足している。