キミと初恋。


「昼休みなかなか修羅場ってたじゃーん。しししっ」


5時間目が終わってからの休み時間。待ってましたとばかりに駆け寄ってきたのはりょうちんだ。


「いやいや、笑い事じゃないってば。なかなか大変だったんだから」

「いやー、ガーディアンが逆にピンチ呼んじゃうパターンだったじゃん? なかなか楽しいものを見させてもらったよ」

「りょうちん、本当にいい性格してるよね」

「あんがと」


いや、褒めてないし。しししって拳を口元に当てながら嬉しそうに笑ってるけどさ、ほんと今も山下さん達の視線痛いんだから。

私はチラリと背後を見やった。そしたら小倉さんと山下さんが私の方をチラ見しながらコソコソと何か話してる。

そんなコソコソ話さなくたって、話してる内容は大抵想像つくってば。

彼女達はいつ言いがかりをつけに私のところまでやって来るのかな、って思ってたけど、どうやら来る様子はなさそうだ。

なるべく人との接触を避けるため、私は5時間目の本鈴ギリギリまで先輩と中庭で話してた。

5時間目は体育だったけど頭痛を理由に見学するつもりだったから着替えなくてもいいし、そのまま体育館へと直接向かう事にしていた。

放課後、一緒に帰るかどうかは雨がまだ降ってるかどうかによって判断しようとなった。


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