キミと初恋。
「じゃあ、泣いてもいいぞ」
冷たい雨が、急に止まった。
パラパラと弾む音と共に、背後からかけられた言葉。
背後から私に傘を差してくれている相手が誰かなんて、振り返らなくてもわかる。
「……先輩、なんで先に帰ってないんですか?」
ヒーローですか、先輩は。
弱ってるところにサッと現れる正義の味方ですか。
「かすみが呼んでる気がして?」
「疑問形で言わないで下さいよ。そもそもそれ、間違ってますので。私先輩なんて呼んでませんのでお帰り下さい」
「相変わらずドライだなー」
そう言って、小さく傘の先が揺れる。声の調子からして、きっとこれは先輩が笑ってるからなんだと思う。
こんな状況でも先輩はいつも通りの口調でいつも通り接してくる。
これはきっと、先輩なりの気遣いなんだと思う。だからこの態度に対して一切の不快感はなく、むしろどんな表情でこちらを見てるのかが気になった。
冷たい雨が、急に止まった。
パラパラと弾む音と共に、背後からかけられた言葉。
背後から私に傘を差してくれている相手が誰かなんて、振り返らなくてもわかる。
「……先輩、なんで先に帰ってないんですか?」
ヒーローですか、先輩は。
弱ってるところにサッと現れる正義の味方ですか。
「かすみが呼んでる気がして?」
「疑問形で言わないで下さいよ。そもそもそれ、間違ってますので。私先輩なんて呼んでませんのでお帰り下さい」
「相変わらずドライだなー」
そう言って、小さく傘の先が揺れる。声の調子からして、きっとこれは先輩が笑ってるからなんだと思う。
こんな状況でも先輩はいつも通りの口調でいつも通り接してくる。
これはきっと、先輩なりの気遣いなんだと思う。だからこの態度に対して一切の不快感はなく、むしろどんな表情でこちらを見てるのかが気になった。