恋に涙を花にはキスを【コミカライズ連載中】
ミーティングルームで作業していると、かなりの高確率で西原さんがコーヒーを持ってきてくれる。
というか、そういうのって一番新人の私がするべきなのだろうかと一度西原さんに聞いてみたけれど、好きでやってるから気にしないでということだった。
なんて奇特な人だ。
「歓迎会ですか?」
「そう。一花さん入って二週間でしょ、研修期間明けるのはまだだけど、そろそろやりたいなって」
業者会の報告書を作成していると、やっぱり西原さんがコーヒーを淹れて持ってきてくれた。
そのタイミングで少し一息、ということで出た話が私の歓迎会のことだった。
「ってか、せっついてるの営業の男連中でしょう、どうせ。見た目可愛くても中身は生意気なのにね、一花さん」
「東屋さんだって口悪いじゃないですか、にこにこ人よさそうな顔しといて。詐欺ですよそれ」
ってか西原さんには口調丁寧ですけどね!
と、言ってしまおうかしら。
「俺は相手選んでんの」
「わー素直に言いましたね」
「一花は少々きつく言ってもちょうどいいくらいだろ」
「どういう意味ですかそれ」
「雑草メンタルで立ち直り早い」
褒められてるのか貶されてるのかわかりません。
言い返そうとする前に、隣でぶふっと吹き出す声がした。
「ご、ごめん。二人の会話のテンポが良すぎて笑える」
最初は声を震わせて我慢しているのが伝わったけど、限界だったようで。
遂にはトレーに隠れて声に出して笑い始めた。
西原さんはとても笑い上戸だ。