恋に涙を花にはキスを【コミカライズ連載中】
土曜日、雨かと思いきや今朝から快晴、テレビの天気予報が言うにはこのまま梅雨明け宣言になりそうだという。
待ち合わせは私の最寄り駅で、お昼少し前。
改札の中で待ってた東屋さんを見つけて、駆け寄った。
「……こ、んにちは」
これが朝なら、会社で会った時みたいに「おはようございます」で良かったのだろうけど、一瞬なんて言えばいいか迷ってしまった。
どもった私に少し笑って、東屋さんが「はいこんにちは」と言う。
「可愛い」
「え?」
「服」
ひざ丈の青の花柄のレースアップキュロットに、白のノースリーブブラウス。
デートっぽ過ぎても恥ずかしいしかといってやっぱりちょっとくらい可愛いと言われたいし、と散々悩んだ末。
頑張ってみた。
ぽぽ、と熱が上がる。
「……東屋さんもかっこいい、です」
ベージュのボトムに白のシャツ、さわやか過ぎて倒れそう。
今日は気温も上がりそうだけど負けないくらい体温も上昇中だ。
歩き出すと同時に手を繋いで、電車に乗る。
電車の窓から見る外の景色はぎらぎら陽射しが暑そうだった。
「映画館のあるとこまでは、駅から直結だから。出来るだけ屋内歩くか」
「ちょっと出ただけでも日焼けしそうですよね」
「気にする?」
「赤くなって結局白に戻るので、ヒリヒリ損、というか」
「ああ……白いもんな。そんな感じ」
つ、と、繋いだ手の親指が、絡んだまま肌を撫でる。
そんな仕草にも簡単に鼓動は跳ねてしまう。
まずい。
序盤から心臓が駆け足では、とてもじゃないけどもちそうにない。