恋に涙を花にはキスを【コミカライズ連載中】
糸ちゃんは、心底わからないと言った表情で、少し眉を顰めていた。
私は、なぜだか焦って慌てて言葉を付け足す。
「ちがいますよ! 東屋さんだって、ちょっとモヤってするけど人間関係断たせるようなのは間違ってるって、思ってくれただけですもん!」
まるで言い訳をさせられてるみたいだ。
だけど、それがまるで通じない。
「そんなん言えるのが冷静すぎねえ? 何か月も開いてりゃまだしも、つい最近まで付き合ってた元カレがいるのに?」
「心配はしてくれました! ちゃんとどういう別れ方したかって、聞いてくれたし心配ないならって」
「そんなん口でならなんとでも言えるじゃん。自分がいないとこでなんかあったらとか思わんのかな」
「そっ……!」
何を言っても、切り返される。
嫌な方向で。
頭に血が上って冷静に聞けなくなってるとこを、糸ちゃんの言葉がどんどん私をマイナス思考に流そうとする。
「東屋、ほんとに心配してくれてんの?」
そこでプチッと、私の思考回路に限界が来た。
「心配してくれてますっ! なんでそんな嫌なことばっかり言うの!?」
ぎゅっ、と拳を握って糸ちゃんを睨みつけた。
声を荒らげた私に、糸ちゃんが瞠目して狼狽える。
「なんでって、心配だからに決まってんじゃん、だって俺っ」
「糸ちゃんに心配してもらう筋合いない! 不安だったら東屋さんに聞いてもらうから!」
本当は、もっといろいろ説明したかった。
ちゃんと心配してくれてるって、どんな言葉をもらったかとか、好きって言ってもらえてるってこととか、どれだけ優しいかとか。
どれだけ、好きって伝えてもらっているかとか。
だけど頭に血が上ってうまく口が回らなかった。