恋に涙を花にはキスを【コミカライズ連載中】

名前を聞いただけで、どくんと心臓が跳ねる。



「人事に何か用があったのと、藤堂部長と予定があるらしくて、少し前から」



明後日には、結婚式だ。
なんで今日に、とつい、否定的になった自分にも嫌気がさして。


とっさに考えてしまったのは、東屋さんはもう会社に戻ってきてるのかなって、こと。



「今給湯室にいるよ。……東屋も後から入ってった」



ガン、と頭を殴られたようにショックだった。
まるで可哀想なものを見るような糸ちゃんの目が意味深で、余計に私の胸を痛くする。



「大丈夫? ひとちゃん」

「何が、ですか。私早く上がらないといけないし、西原さんに挨拶して帰ります」



なんでもないことのように言いながら、自分の顔がひきつっているのがわかった。

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