恋に涙を花にはキスを【コミカライズ連載中】

西原さんの笑い声が聞こえる。


綺麗な彼の横顔は、ふわりと柔らかく綻んでいた。
出会った日、私の脳裏に焼き付いたあの横顔そのままだった。


それでいて幸せそうで、胸が締め付けられるような愛しさに溢れてて。
ほんのり、耳が、赤い。


ああ、グレードアップしてるなあ。
暫く会えなかったからかな。


声をかけようとしたけど、喉が詰まって出なかった。
近寄ろうとしたけれど、自分が今どんな顔をしているのかわかっているからできなかった。


くる、と慌てて背中を向けた。
カツ、とヒールの音を響かせてしまって、急ぎ足でその場を離れる。


ちゃんと、東屋さんと話そう?
うん、それが正しいけど。


ただちょっと、ポッキリ気力が折れてしまった。


今だけ逃げよう。
だって、こんな顔見せられないから。
頭の中がぐちゃぐちゃで、何も言葉が出ないから。


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