恋に涙を花にはキスを【コミカライズ連載中】
「すごく、好きです……」
「……うん?」
「可愛らしくて、しっかりしてて私よりずっと大人で、憧れます」
ずず、と鼻を鳴らして。
私の口から一番最初に出た言葉は、西原さんのことだった。
きっとそれが、全ての根本にあるから。
「素敵な人だなって、敵わないなってずっとそう思ってます。だから、糸ちゃんに私は西原さんの代わりなんだって何度もほのめかされて、不安になって」
「……紗世」
「で、でも、それでもいいって最初は思ってたはずなのに、いざそうかもしれないと思うと物凄く……涙が出て、しまって」
弱くなった。
恋を知って涙も知った。
幸せを知って、失うことに怯えるようになった。
こんな風に東屋さんの気持ちを求めたって、思い通りの言葉を聞けても、きっと心の底の不安は消えない。
忘れられない恋こそが、始まりだったのだから。
多分それは、東屋さんもわかってる気がした。