恋に涙を花にはキスを【コミカライズ連載中】
泣きじゃくる私を連れては、どこに行くにも躊躇ったのだろう。
私の手を引き駅を出て、すぐ近くにあった公園に足を踏み入れる。
彼はベンチに私を座らせ真正面にしゃがみこむと、俯いていた私の顔に手を添えた。
「何で泣いてるの」
じっと真っ直ぐ、私を見据える彼の目は真摯なもので、だけど決して咎めるような声じゃない。
あくまで優しく、それでいて曖昧にはさせない強さがあった。
「迎えに来てくれて、うれしくて」
「違うだろ。全部言って」
嘘じゃ、ないんだけど。
でも確かに、それだけでもなくて。
泣き始めた最初は、なんだったかな。
頭がもう、上手く働かなくて、あれもこれも頭に浮かぶ。
何から言えばいいのかわからないけど、彼は全部と言った。
彼が私を見つめて、指の背で私の頬を撫でる。
じっと目を合わせていたら、嗚咽が少し落ち着いて息が整ってきた。
「に、西原さんが」
ほろほろほろ、涙だけはどうしても落ち着く気配はない。