恋に涙を花にはキスを【コミカライズ連載中】
「俺が悪いのわかってたから敢えて避けなかったんだよ!」
「どうだか」
「だから俺は一切殴り返してないだろ! なのに三発も入れやがって。部長が止めてくれなかったらまだ殴るつもりだったろ!」
微妙な距離を保ったまま言い合いをしている。
かずくんに三メートル以内立ち入り禁止を言い渡されてるからだと思うけど、その分声も大きくなるからちょっと恥ずかしい。
「あれ? でもかずくんの頬もちょっと赤くなってたよ」
「それは俺じゃない。西原さん」
「え?」
「喧嘩両成敗とか言って俺にも東屋にも一発ずつ……俺三発も既に殴られてんのにこれ両成敗って言うの?」
さめざめと糸ちゃんが泣き始めたのはそっとしておいて、私はかずくんの顔を見上げた。
「まさか。西原さんそんなことしないよね」
「する。喧嘩するより先に彼女追いかけなさい!って怒られた」