恋に涙を花にはキスを【コミカライズ連載中】


なんか、想像つかないなあ。
西原さんが男の人二人も引っ叩くなんて。


「糸井なんかほっといて先に追いかけなきゃいけなかったのに、遅くなってごめん」

「いい。嬉しかったし。誰に言われなくても来てくれたってわかってる、し」


それに、頭に血が上ってわからなくなるくらい、私のために怒ってくれたのだと思うとそれもくすぐったいほど嬉しい。


かずくんがあんまり甘ったるい顔で私を見て、髪を撫でるので。
私は、しどろもどろになりながら答えた。


ひ、人前なんだけどな。
仕事じゃないけど、糸ちゃん以外にも会社の人、向こうの方に見えてるんだけどな。


「ちょっと……無視していちゃいちゃしないでくれるかな……一応、謝りたいなと思って待ってたんだけど俺……」


糸ちゃんの目が一層細く、私たちを見ていた。


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