恋に涙を花にはキスを【コミカライズ連載中】
する、と横髪をくすぐる感触に、目を開いて隣を仰ぎ見る。
追いついた彼が、ハーフアップにまとめた私の髪を撫でていた。
「髪、解けてきてる」
「あ、ありがとう」
雲ひとつない、真っ青な空を背景に、少し伏せた瞳の彼に思わず見惚れていたら。
彼の目線が、髪から私に不意に逸れて、見つめ合う。
ふんわりと、青空に花びらが散る幻影を見る。
もう、横顔なんかじゃなくて彼の瞳は真っすぐに私を見つめ、微笑んでいて。
「かずくん、大好きです」
舞い散る花びらはきっと、未来の私たちのための祝福なのだと、心底からそう思えた。
END


