鬼社長の魅惑のボイス。

「は、はい。椎名愛里と言います。
社長の専属秘書をさせて頂いています」

会長に頭を下げて自己紹介をする。
しかし会長は、私をジロジロ見ながら

「社長秘書だと?まさか拓海……お前
秘書とデキてたりしてないよな?」

ビクッと身体が震える。

「だったら何だ?
俺が誰と付き合おうが勝手だろ」

「馬鹿を言うな。お前には、我がグループに
相応しい婚約者を用意してある。
それなのに秘書とデキてるとか恥を知れ!!
椎名と言ったか?君は、明日からクビだ」

会長の怒りは、私の方へと向けられた。
クビ!?そんな……。

「お待ちください。会長……」

「ふざけるな!?俺の結婚相手まで勝手に決めるな。
俺は、自分の意思で結婚相手を決める。
愛里は、俺の女だ。クビになんかさせない」

社長は、激怒する。
初めて社長の本心を口に出してくれた。

社長……私をそんな風に見ててくれたの?

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