だからそれは、愛じゃない。




 え………?? 今、何言った??
 

 ニコッと微笑んでくれている鶴橋くんを前に、キョトンとしていると『ハア!? ダメに決まってんだろ! ふざけんじゃねぇ!』祐樹が鶴橋くんに怒鳴り散らした。



「………俺は和谷くんと話してるんじゃないよ。朱里ちゃんと話してるんだからさ」



 少し呆れ気味に、祐樹に歯向かう鶴橋くんに、ドキッとしてしまった。


「で、今日から俺の彼女って事でいいかな?」


 ”彼女”
 そんな言葉を言われるなんて。



 『朱里!!』と怒鳴る祐樹に目もくれず、おもいっきり頷いた。


 …………夢見てるみたい。


 一人感動していると、

「ついさっき話したばっかりじゃねぇか!! 絶対俺は認めない!!」

祐樹はいきなり、私の腕を掴んで歩き出してしまった。



「じゃ、朱里。また後でね」


 私にヒラヒラと手を振る鶴橋くん。


 ”朱里"
 名前で呼んでくれた事が嬉しくて、笑顔を向けてくれている事が嬉しくて、思わず涙目になる。



 今後の運を今、この瞬間全部使い果たしたとさえ思った。


 ――高1の冬、初めて彼氏ができました。


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