だからそれは、愛じゃない。




 私と良太くんのやり取りに痺れを切らしたのか、


「あのさ、朱里彼氏いるでしょ?? あんまり男と話すのはどうかな?」

 ――と、割って入ってきた。


 そして、鶴橋くんは私の体を強く引っ張る。
 だけど良太くんは私の手を放そうとしない。



 板挟み状態な私。


 ……よっぽど鶴橋くんと仲良くなりたいらしいと思っていたのに、


「………男と話しただけで嫉妬するカレシなんだ?? 朱里さんのカレシ」


 さっきまで穏やかだった良太くんの顔から笑顔が消えていた。



 ………良太くん??


「いや、彼氏なら普通、嫉妬するだろ」


と、良太くんに言葉を返す鶴橋くん。



「っていうか、鶴橋先輩……だっけ?? 朱里さんのカレシでもないのに朱里さんに注意するんだ?? カレシが注意するなら分かるけど、鶴橋先輩は朱里さんの友達なんでしょ? ………見て見ぬ振りくらいしてくれないの?? ほんっと、融通効かない先輩だね」



 『鶴橋先輩、朱里さんのカレシに盗聴機でも仕掛けられてんの??』と、鶴橋くんを嘲笑う良太くん。



 ……や、ヤバイ。本当にヤバイ。


 良太くんは鶴橋くんの性格を知らないから言い返しちゃうんだ。


 そういえば良太くんこういう子だったかも………と、忘れていた記憶を今更ながら思い出した。


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