だからそれは、愛じゃない。
「そもそもさ、"男と話したらダメ"なら、鶴橋先輩が朱里さんと話すのもダメでしょ。言ってる事矛盾しまくりでしょ。もし『仮に』鶴橋先輩が朱里さんの友達だから話して良いって言うんなら、俺は朱里さんの後輩だし、ずっと前から友達なんですけど。そんな俺もダメなの?? どんだけなの、そのカレシ」
……頭に血が上った良太くんを止めるのはもう、ムリかもしれない。
「………俺はそいつの友達だから良いんだよ」
「へー『そいつ』と、友達になればいいのか。じゃあ紹介してよ朱里さんのカレシ。そのカレシと友達になったら朱里さんと話して良いんでしょ?? もしかして遠距離とか?? なんなら会いにいくからさ。飛行機乗ってもどこまでも。朱里さんと話す為だったら時間も、お金も惜しまないし。朱里さんだって俺と話したいよね??」
……………え。
答えにくい質問に黙ってしまう。もちろん『良太くんと話したくない』なんて言えるワケない。
「朱里の彼氏は相当怖いから、お前は会わせられない。何されるか分からないし」
鶴橋くんは架空の彼氏を"相当怖い彼氏"に仕立て上げた。
……それなら良太くん、諦めてくれるかも……なんて、思ったのが甘かった。