だからそれは、愛じゃない。





 そっと、教室を出ていこうとした瞬間、

「朱里さん、もうヤバイカレシと別れなよ。何でそんな人と付き合ってるの??」



 良太くんは悲しそうな顔で聞いてきた。



 ……………別れたい。
 本当は別れたいよ。祐樹が一番だと分かった瞬間から、鶴橋くんに対しては情でしかない。



 このままじゃダメだって分かってる。だけど、怖い………


 鶴橋くんに別れ話をするのが、どうしようもなく怖いの。



「………約束したの。見放さないって」


「見放さない事が愛じゃないよ。自分を大切にできない人に、人を思いやる事はできないよ。朱里さんは自分を大切にできてる?? 俺にはそんな風に見えないけどね」



 分かってる。だけど………


「それでも私しかいないの………」



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