だからそれは、愛じゃない。



 ……なんて、笑っていたのも束の間、


「祐樹、私やっぱりもう祐樹とは学校行かない………ゴメン………」


 本当に申し訳なさそうに謝る朱里に『そっか』と苦笑いしする事しかできなかった。


 ………朱里が決めた事なら仕方ない。


 『余計な事したな、ゴメンな』と謝ると、朱里は寂しそうな泣きそうな顔をして見せた。



「祐樹が謝る事ない。私がちゃんとしないから。私、だめだよね。鶴橋くんの事を一番に考えなきゃいけないのに、自分の事ばかりで情けない」


………『情けない』と弱音を吐いてくれた。
 朱里はなんだかんだ俺を必要としてくれていた。



 いつものように俺に相談してくる朱里。
 だけど、いつもと違う所が1つ。


 『祐樹、また相談して良い??』


 違和感しかなかった。


 『また相談して良い??』いつもはこんな事言わない。


 ………それほど、朱里は今不安なんだ。



 朱里はこう見えて結構、人の意見に流されたりする。だから俺も気が利じゃなかった。



 鶴田は朱里を縛り付けるヤツだって分かったから。



 ……だから、俺が朱里をしっかりと見とかないと。折れてる場合じゃない。


 『1ミリでも可能性があるなら、どんな手を使ってでも奪うから。だって、俺の方が断然その子を好きだから。だから、奪うよ?』


 俺も遠回しに”朱里の事が好きだ”と伝えた。



 伝わってなくても良い。俺が大切に思う人がいる事だけは、朱里に分かっていてほしかった。


 今は無理でも、絶対に奪い去るから。


 だから、俺が好きな子をどれだけ想ってるか、ちゃんと覚えてて。


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