【中編】彼女様は甘い味。




…あたしの、ベッドが。




「あと…」


再び蓮先輩は口を開きこちらをチラリと横目で見る、


「何ですか?」


奏音も少しばかり首を傾げて聞き返す。



「お前、前に見ただろ?俺の歌の歌詞…あれ…何つーか…」


蓮、先輩?



ドクンと大きく脈を打つあたしの鼓動。



「だから…」


そこまで言ってから先輩はゆっくりと再び起き上がりベッドに座ったまま、あたしをジッと見つめてきた。

あたしが立っているせいか、先輩は上目遣いになっていて…


妙に心が落ち着きません。



だから。

その言葉の先が、気になって、気になって…
どうにかなってしまいそうでした。


「だから…あれだよ、その…」

なかなかその後の言葉が続かない蓮二。


その意味を奏音はよく分かっていない、だから焦る気持ちともどかしい気持ちが入り混じって思わず口を開いてしまった。



「先輩は誰を…誰を想って書かれたのですか?」


口にしてからハッとしました。

…知りたいんです。


けど、何だか聞きたくもなくて、分からなくて。



すると先輩はそのまま少し顔をあたしから逸らして、



「誰って…」


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