【中編】彼女様は甘い味。
甘い?苦い?恋の味
「…あー、それ俺の妹、
ごめんね?…奏音ちゃんに嫌な思いさせてちゃって、」
葛木先輩はそう言うと、あたしの頭を優しく撫でてバツの悪そうな顔をした。
…やっぱり先輩の妹だったんですかぁ、
「…それより、その子
今度また奏音に同じことしたら絶対に許さないわ」
と、隣でお怒りの結衣ちゃん。
それに賛同するように恵ちゃんも『そうだそうだっ!』とか言ってますけど…
そんな会話を聞きながら、お昼のうどんを口に運んでみたけれども…
まだ少し熱くてなかなか食べられません。
「そっれよりさぁ…、
…京香、アイツどーにかしてくれよ本当に」
今度は姫山先輩…、ではなく蓮先輩が葛木先輩に詰め寄る。
…京香?
あ、葛木さんですね。
そしてまたうどんを食べようと努力してみるあたし。
「あー、俺には手に負えないよ…
悪いんだけどさぁ」
「京香ちゃん、まだ蓮二ラブなんだぁー!」
今度は大塚先輩が美味しそうなクッキーを食べながらそう言う。
…それより、
“蓮二ラブ”とは…何でしょうか?