【中編】彼女様は甘い味。
そのまま大塚先輩の隣に行って、
「あの…、『蓮二ラブ』って何ですか?」
コッソリと耳打ちをする。
すると先輩は笑いながら、
「京香ちゃん、ずーっと昔から蓮二が好きなんだよ、
…だいぶしつこいんだけどねぇ」
だからですかぁ…
だから、あたしはあの時、あんなことやこんなことをされてしまったんですね…。
…なるほど、です。
「…あっれ〜?
何、愁と奏音ちゃんコソコソ話してるのー?」
葛木先輩のその言葉で、
その場にいた、と言ってもいつもの皆さんがあたし達を一斉に見る。
…あ、
「…いーじゃんか!
俺と奏音が何を話してよーと」
『な、奏音?』なんて笑顔で言われてしまい、思わず縦に頷くと、
「…くだらねっ」
と、蓮先輩の声。
それを見てクスクスと愁は笑うと、自分が食べていた食べ掛けのクッキーを…
「…っ、?!」
そのまま奏音の口に入れた。
と言うよりも、“突っ込んだ”が正しい表現。