コバルトブルーの誘惑
「嶺緒、あんまり暴れるな。週末の予定はみんなキャンセルしておく。
週明け、元気に出勤してくれ。」そう笑ってケンさんとサラさんはホテルの前で帰って行った。

「大丈夫嶺緒?」と私が腕を取ると、

「エスコートされて、お姫様になった気分だ。
大丈夫。さっきはアルコールも入っていたから、具合が悪くなっただけ。もう、気分は悪くない。」と私の肩をギュッと抱き寄せた。

結構力強い。
私が嶺緒の瞳を見上げると、

「そんなに見つめられると、今夜も我慢できそうにないな。」と屈みこんで私に耳元で囁く。

「何言ってるんですか?ちゃんと休まないと…」

「舞が一緒にいるだけで、心が休まる」

とエレベーターの中で後ろから私を抱きしめる。

いや、体も休めてほしい…



エレベーターの中には他の人も乗っていたけど、

私は抱きしめられている嶺緒の腕にそっと手を乗せる。


エレベーターは静かに上昇していく

30階に着いて降りる時に、

嶺緒と指を絡めて手を繋ぎ、

私は自分も住むことになった部屋ヘとゆっくり歩いて行った。



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