二人だけの秘密
「あの、僕。君のことが………」

「綺麗ですね、紅葉」

と、隣にいた美希さんが、うっとりした顔で僕より先に口を開いた。

「そ、そうですね………」

僕は、紅葉の方に視線を向けた。

真っ赤に染まった紅葉が、僕の目に映る。紅葉は確かにきれいと感じたが、美希さんに僕の想いをぶつけられなかった。

ーーーーーー告白しないと。本にも、告白は夜にしろって書いてあったじゃないか。

僕はデート本に書いてあったことを思い出し、自分に暗示をかける。

「私と紅葉、どっちが綺麗ですか?未来さん」

「えっ!」

突然、美希さんがそんなことを僕に訊いてきた。もちろん冗談で聞いてるのだと思うが、僕の心臓が波打つ。

「それは………」

その瞬間、デート本に書いてあったことを思い出した。
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