二人だけの秘密
「そしたら最後に今日、もう一度美希さんと店で会いたい」

ちらちらと空から雪が降る中、僕は顔を赤くして言った。僕の口から、白い息が出る。

「気持ちはありがたいですが、もう来なくていいですよ」

彼女に笑顔で断られた僕は、ショックだった。

「ど、どうして?」

僕は、不安そうな表情を浮かべた。

「未来さんには私より、もっと大切な人がいるでしょ。私と会うとその人が心配したり、怒ったりするんじゃないですか?」

そう言って、すーっと目を細める美希さん。
< 155 / 206 >

この作品をシェア

pagetop