二人だけの秘密
「ま、待って。美希さん、僕はずっと君のことが………」

彼女の方に思いっきり手を伸ばしたが、

ーーーーーーパチン。

突然、僕の視界が開けた。ぼやけた視界の先に、白い天井が見える。

「未来、気がついたのね」

僕の伸ばした右手を、誰かが握っていた。そちらの方向に視線を向けると、号泣している母親の姿が見えた。

「心配したのよ。私の大好きな未来の意識がずっと戻らないから、もしかしてと思って私………」

僕がもう生き返らないと思ったのか、さらに母親が涙を流した。

僕のためにどれくらい泣いてくれたのだろう、母親の顔は涙でグチャグチャになっていた。

「未来、全くお前はどれだけ親に心配させるつもりなんや」

口は怒っていた父親も、僕の意識が戻った安心からか、涙腺が緩んでいる。
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