二人だけの秘密



『5月4日《土》午前10時32分』




『未来さんって、結局口だけなんですね』

「………」

『私の秘密をネット掲示板サイトに晒すなんて、最低です』

「そんなこと、僕はしてない」

『未来さん以外、私の秘密を知らないんですよ。あなたが、ネットに書き込んだでしょ』

「何を言ってるんだ、美希さん」

『未来さんが、私を殺したんです。せっかく、普通の女性になれそうだったのに……』

「違う、僕じゃない」

『信じてたのに、約束破るなんて。大っ嫌い』

「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

僕は、絶叫した。

「なんや?」

「どうした?」

「えっ!なになに?」

周囲から、声が聞こえる。高い声から、低い声まで。様々な声。


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