二人だけの秘密
「クソ!クソ!」

こもった声が、僕の部屋に聞こえる。リビングから両親に呼ばれていたが、僕はそれ以降自分の部屋を出ることはなかった。

「………」

iPadカバーを開き、ディスプレイが僕の目に映る。ダウンロードしたヤフーのアプリをタッチし、美希さんが働いている風俗店の名前をキーボードに打ち込む。

彼女の風俗店の公式サイトがディスプレイに映り、僕はそこをタッチする。システム。イベント。出勤情報。日記。
見やすいように宣伝された、風俗店の公式ホームページ。僕は、日記をタッチする。

【二人だけの秘密様、日記見てくれていますか?私の死の運命から、救ってくれることを信じてます】

「美希さん………」

僕は、切ない声で呟いた。
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