幼なじみじゃ、なくなった夜。
「え、そんな端っこ座るの~?」
「は、はい。私隅っこ好きなんで…」
ひっそりと一番端っこの席に腰かけた私の隣に、なぜか座ってくる子犬先輩。
「…や、あの、何でここですか?」
絶対騒ぐの好きそうだし、もっと真ん中に行けばいいのに。
「え~?だって君ともっとお話したいし」
「わ、私と?」
「うん♪今日は君にきーめたっ♪」
「はぁ…?」
謎だ…。
チラ、と榎波の方を伺うと、榎波は私に気付いているのか、いないのか…相変わらず足立さんと話している。
…なんか心なしか距離近くない?気のせい?
「何ガン見してんの?」
「え?」
子犬先輩に視線を追われそうになって、慌てて逸らした。
「なになに、イケメンでもいたー?」
「違いますよ、ていうか先輩、何飲みます?」
「んー?じゃぁカルーアミルクで」
おっと、顔だけでなく飲むお酒まで可愛いのか…。