幼なじみじゃ、なくなった夜。
「名前なんていうの?」
「瀬戸内です。瀬戸内夏帆」
「夏帆ちゃんかぁ。俺は浜崎竜」
「…へぇ、意外ですね」
「意外?」
「はい。子犬っぽい顔してるのに、竜って」
「もしかして夏帆ちゃん…バカにしてる?」
「や、違います!違います!」
「はは、ジョーダン♪」
はじめは少し不審に思っていた子犬先輩―――浜崎先輩だったが、話し始めるとすごく気さくで、話しやすい人だった。
「てか、3年目ってことは榎波と同期?」
「ブホッ!」
突如放り込まれた榎波というワードに、盛大に咽る私。
「ちょっと大丈夫?」
浜崎先輩が慌てて背中をさすってくれる。
「だ、ダイジョウブです…」
やばい、ちょうど飲んでたピーチウーロンが変なところに…!
ゴホゴホと咽込みながら、涙目になった視界の中で
「!!」
…目が合った。榎波と。