幼なじみじゃ、なくなった夜。
唇を離して見つめ合う。
とろけるような榎波の視線に、私は脳がとろけるのを感じた。
あぁ…なんか幸せすぎて、どうにかなっちゃいそう…
と思ったのも束の間。そんな甘い空気をぶち壊したのは
グゥ~…
なんとも間抜けな私の腹の音だった。
な、な、なぜここでー!?
この時ほど腹の虫を呪った日はない。
「ご、ごめんっ…なんか安心したらお腹が…!」
やばい、恥ずかしすぎて榎波を直視できない!!
「あの、榎波のカレー!カレー食べた…きゃっ!」
なんとかこの場を脱出したくて体を起き上がらそうとしたが、榎波に抑え込まれるようにして再度ベッドに沈められる。
「ちょ、榎波…」
「悪いけどカレーは後で」
熱に浮かされたように、榎波が首筋に口づけをする。
「…先に夏帆、食べさせて」
「え、うそ、ちょっ…きゃあ!」