幼なじみじゃ、なくなった夜。
この膨大な量の資料からお目当てのものを探すのはなかなか大変だ。
でも決算関係の資料は割とよく使うし、すぐに見つかると思ったのだが…。
ない。三年前までならすんなり見つけられたが、なぜか、それ以前のものがない。
「もう!どこなの5年前の決算報告書って…!」
思わず独り言を漏らしつつ、手当たり次第にその辺の資料を漁っていた時だった。
「はい」
ふ、と、不意に私の前に差し出されたそれ。
紛れもなく、私が探していた資料だ。
「うわ!ありがとうございます…!」
ガバッと勢いよくそれを受け取り、救世主であるその方の顔を拝もうと顔をあげると
「いえ、たまたま私の探していた資料の近くにあったので」
ニコ、とそう綺麗に微笑んだのは、榎波の隣で弾けるような笑顔を振りまいていた彼女…足立さんだった。