幼なじみじゃ、なくなった夜。
まさか足立さんにそんなことを聞かれるとは思っていなくて。
彼女の真意が読めないまま黙り込んだ私に、足立さんは笑顔のまま髪をかきあげると、次の瞬間ス、と真顔になって
「…チッ。さっさと答えろよめんどくせーな」
「え?」
「で、どうなんですか?」
だけどそれはほんの一瞬のことで。
すぐにまた笑顔に戻った足立さん。
な、なに今の!?幻聴!?空耳!?
「え、えっと…榎波のことは…その…」
「…告白されたんですよね?榎波先輩に」
「え、」
何でそのこと。
「榎波先輩から聞きました」
私が質問をする前に、それに答えてくれる彼女。
「…あの…もしかして、足立さんって…」
「好きですよ。榎波先輩のこと。告白したけどフられました。好きな人がいるって。その相手までは教えてくれなかったですけど、すぐ分かりました。榎波先輩って意外と分かりやすいですよね」
フ、と彼女が微笑んで、右耳に髪の毛をかける。
揺れるピアスが資料室の明かりを反射して揺れていた。