極甘求婚~クールな社長に愛されすぎて~
「でもこれはムリっ!もう毎回毎回乗らなきゃいけないの嫌。怖過ぎる」
そもそもなんで全面ガラスにする必要があるのだろうか。
少なくとも1箇所くらい普通の壁にしてくれればまだ耐えられるのに。
拠り所は階数ボタンのところしかないなんて。
そこに人が立っていたら…
「乗れない」
「乗ればいい話しだろう」
柱にしがみつき、エレベーター内の様子を伺っては肩を落とす私の背後で呆れたような声がした。
「あ、社長。外出ですか?」
「あぁ。それよりきみはまだ社にいたのか。部屋を出てから軽く十分は経っているのに」
4回見送ったからそのくらいは経っていても不思議じゃない。
「理解出来ないな」
紬の突き放すような言い方とあからさまにバカにした表情が心にグサッと突き刺さる。
私だって気にせず乗れるものなら乗りたいんだから。
でもどうしても怖い。
目の前で到着した誰も乗っていないエレベーターにさっさと乗り込んで行く紬を恨めしく思う。