極甘求婚~クールな社長に愛されすぎて~
つばの広いハットは普段被らない。

興味本位で試着し、鏡を覗き込んで見ていると、背後から「似合っているから大丈夫だ」という小さな言葉が聞こえた。

その声にパッと振り向き、彼に目を向ける。
でも紬はすでにお会計の方へ進んでいて聞き返すことは出来なかった。


「お似合いですって。良かったですね」


代わりに答えてくれたのは田中さん。
私の私服が入った紙袋を手渡しながら私と紬を交互に見て言った。


「先輩が誰かとお揃いのものを身に付けるのもはじめて見ました。だから自信持ってくださいね。応援してます」
「いや…」


満面の笑みで応援されても困る。
でもここから否定するのもめんどくさい。
だから「ありがとうございます」とだけ伝えて、こちらに視線を寄越した紬の元に足を進めた。
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