ワケあって本日より、住み込みで花嫁修業することになりました。
「あぁ。……俺もこの後、病院に行くつもり。……すみれも来るか? そんなに信じられないなら自分の目で確かめればいい」

確かめるって言われても怖い。もし一弥くんの言っていることが本当だとしたら?

おじいちゃん、手術するほど悪い病気なんだよね? まさかこのまま二度と会えなくなるなんてこと、ないよね?

考えれば考えるほど怖くなる。けれど、一弥くんについていかなかったら私、後悔する。

すべて真実なら、もしかしたらおじいちゃんともう会えなくなるかもしれないんだ。

それなのに怖いなんて言っていられない。それに――。

残りのパフェを口に運ぶと、席を立つ一弥くん。

「どうする? 俺はもう行くけど」

立ったまま私を見下ろす彼。意を決し、私も立ち上がった。

「私も連れてって。……ちゃんと自分の目で確かめたい」

臆病な自分はもう嫌。逃げないって決めた。だからこそ自分の目で確かめる。

そして聞きたい。……謙信くんに、一弥くんの言っていたことすべて真実なのか。
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