ワケあって本日より、住み込みで花嫁修業することになりました。

そんな私の変化に気づいたおじいちゃんの勧めで、女子校で大学までエスカレーター式の私立の小学校へ転入したものの……。


悪口を言われたり、白い目で見られたり、笑われたり。それがすっかりトラウマとなってしまい、人と話すのが苦手になってしまった。声をかけられても、なんて答えればいいのかわからなかった。


変なことを言ったら、また悪口を言われてしまうかもしれない。そう思うと友達と話すことが怖くて、返事をするだけで精いっぱいだった。

幸い新しい学校ではイジメられることはなかったけれど、大学まで私には親しい友人がいたことがない。それは社会人になった今も同じだった。


大学を卒業後、就職した先は氷室さんの旦那さんが社長を務めているところ。家具・インテリアの輸入販売をしていて、急成長を遂げている会社だ。


はっきり言ってコネ入社だ。就職活動は惨敗に終わり、見かねた氷室さんが旦那さんである社長にかけ合ってくれたのだ。

都内のオフィス街にある三十五階建ての商業ビル。その二十三階から二十五階が私の勤めている会社のオフィスだ。