君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
李人は、その瞳を更に鋭くさせ和泉にそう問いた。
そして、それを聞いた和泉は確信を得た。
ーーー李人は、優葉の事を想っている、と。
その結論に至るや否や、和泉は再び李人に対し苛立たしさを感じた。
「………可愛いだって? アンタ、頭おかしいんじゃないの? ………あの女はただ小煩いだけ。
そして、俺は若い女の教師がこの世で一番嫌いだよ」
そして、気付くと和泉はその苛立ちのままに李人に悪態をついていた。
「………そう。お前、やっぱり生意気だね。じゃあ、何であの神社にいたの?
ただの小煩い塾講師の横にいた男。ーーーそんなの普通、気にも留めないでしょ? なのに、お前は来た。わざわざ俺の居場所まで調べてね。そしてここにいる」
すると、そう言う李人の口調も僅かに強くなり、まるで射るような目線で和泉を見つめた。
そして、それは、和泉の苛立ちを更に強くした。
「アンタ、そんな事も分かんないの?あの日、アンタが変に俺にケンカを売ってくるからその文句を言いにきたんだよ。
………アンタが、あの女をどう思おうがそれは俺には関係ない。 だからこれ以上、俺を苛立たせるな」
そう言って、和泉はソファーベッドから立ち上がり部屋を出て行こうとしたーーーが。
「………へぇ。じゃあお前、俺が頼めば優葉の前から消えてくれるの?」
李人が和泉の背後から言ったその言葉に………、和泉は驚きで目を丸くし李人を見た。