君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
そこまで言うと、李人は自分を嘲笑うかのように微笑んだ。
「俺は、日本を代表する俳優になりたい。 その為に………、毎日何十時間もの罵声だらけの演技レッスンに耐えてきた。オーディションで不合格だった場合には例え、土下座を何百回しようとその理由を聞き込み、次に繋げた。
そして、何より"俳優 橘 李人"に関わる全ての人間に徹底的に気に入られるように立場の上下関わらずケアは怠らなかった。
そうして良い印象をつけ、恩まで売れば、やがて彼らが"俳優 橘 李人"が存在するよう自然と守ってくれる。蹴落とし、蹴落とされのこの世界ではメリットが大きい。………例え、彼ら一人一人に対する個人的な感情が良くない場合でもね。
ーーーな?結構、何でもしてるだろ?」
「………その長ったらしいアンタの性格の説明がさっきのあの女の話とどう繋がる訳?」
和泉は李人を睨みつけながらそう言った。 それが、未だに李人の意図が掴めず………そして、優葉の事で狼狽している和泉ができる精一杯の強がりだった。
「………まぁ、最後まで聞きなよ。さっきも言ったけど、俺には昔から優葉だけだ。
そして………俺は、彼女の従兄弟でもある」
「………なっ、 従兄弟………!?」
優葉と李人がイトコ同士だと露程も思っていなかった和泉は衝撃のあまり再び目を瞬かせて李人を見た。