君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
"彼"のようになっては身を滅ぼす。
和泉は、"彼"を失ったあの日からそう思い続けてきた。
「違う………俺は違うッ………!」
何度も何度も和泉はそう自分に必死で言い聞かせた。
しかしーーー
「ーーー俺は、優葉が好きだよ」
李人の優葉への決定的な想いの言葉に………、和泉はふと言葉を無くし、目を見張って李人を見つめた。
「………瀬名君。何で俺が、いつも誰に対しても"平等に優しく"接することができるか分かる?」
そして、突如たる李人の問いの意味も掴めず、和泉は訳が分からなくなり黙りとしていた。
そんな様子の和泉を李人は真っ直ぐ強い眼差しで見つめ、言った。
「………それはね、優葉がいるからだ」
「………は?」
(何で………ここであの女の名前が出てくる?)
和泉は益々訳が分からなくなり、その首をひねった。そんな和泉に構わず、李人は話を続ける。
「瀬名君は中々、頭が良いよね。 そう、さっき言われた通り、俺は本来、優しくて温厚で………といった性格じゃないと思う。
ーーーもっと、こう。貪欲で………、欲しいものは、とことん独占しようという気持ちが強い。
だから、俺は欲しいものの為なら何をしようが、どんな事があろうが俺は構わないんだよ」