君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
どちらかというと、優葉はおっとりしている為、晴夏や綾子とは異なった性格だ。
しかし、どこかの波長が合うらしい三人はとても仲が良い。
「はぁ〜。早くテスト終わらないかなぁ。 毎日勉強とかハゲる!」
「もう少しの辛抱じゃない、晴夏。夏休みはすぐそこよ?」
「ま、綾子お姉様の言う通りだけどぉ………あっ!」
晴夏は、何かを思い出したように声を上げた。
「ね!テストが終わったらキャンプ行こうよ!」
「キャンプ?」
「そうそう。ホラ、県立公園の中にバンガロー付のキャンプ場あるじゃん!
確か、優葉の家から近かったよね?」
そこまで晴夏に言われ、優葉は気が付いた。
笹原家から車で10分程度の場所に、広大な県立公園がある。
そこには、キャンプ場を始め、様々な施設が併設されている。
優葉も幼い頃、家族とよくそのキャンプ場を利用していた。
そして………、李人の家族も一緒にいた。
『優葉、見て! 星がすごくきれい!』
『わぁ………本当だ!』
優葉と李人は小学生の頃、そこへ行く度に両親の目を盗み、バンガローから抜け出し夜空に輝く星を眺めた。