君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

「………要は、何があろうとアンタの言う通りに、ここで大人しく勉強しとけばいいんだろ? なのにそんなに大げさに騒がないでくれる? ウザくて堪んない。………それに、笹原先生は関係ないから」

「な、和泉!! わたくしはあなたの為にーーー」

「へぇ、何が俺の為だっていうわけ?………将来、親父の跡を継ぐ俺が下手な事すれば、世襲で政治家をしてる身としたらマズイからでしょ?よくもそんな嘘が言えるよね? 全く反吐がでるよ」

和泉は、暗く歪んだ笑みを浮かべるとそう吐き捨てるように言った。

「………和泉ッ!あなた母に向かって何て事を言うのよ!」

案の定、和泉の母は激昂し和泉を叱咤した。

「事実だからってムキにならないでくれる? 安心しなよ?ちゃんと親父の跡は継いでやるから。………でも決して、アンタや親父の為じゃない。………アイツの為だから」

しかし、和泉はそのような自分の母を依然として睨みつけながらーーー強い意志を持った瞳で………そう言った。

「………ッ、瀬名君………」

優葉は、和泉が自分を庇ってくれたのが嬉しかったのと同時に………、和泉が家族に対して敵意を剥き出しにしている事に胸が詰まる思いがした。

(こんなに実の母親に対して、敵意を丸出しにするなんて………信じられない。けれど………でも、何かあるんだ。 瀬名君の家で何か瀬名君を苦しめている事が………)



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