君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
そう言い、和泉は優葉を置いてサッサと歩き出した。
「あっ、ちょっと待ってよ!」
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河川敷に着いた優葉と和泉は、土手に座り込んだ。
R町に流れている川は、 埼玉県から東京都を流れ、東京湾に注ぐ一級河川であり利根川水系の支流でもあるのでとても大きい。
その水面は、夏の夕時でもキラキラと日の光を反射しとても美しかった。
(瀬名君が決めてしまったから、何も考える暇もないまま、ここに来てしまったけど………)
優葉は、水面を眺めながらーーーあの日の事を自然と思い出していた。
ーーー李人と優葉の唇が近付いた………R町の花火大会の日だ。
(李人君とは………あの日から会えていないな)
そう思うや否や優葉は思わず、溜息をこぼした。
優葉は、李人の神社での一連の出来事をその翌日の朝の情報番組のエンタメコーナーで知った。
責任感の強い李人の事だ。
きっと、自分のせいでせっかくのお宮参りをキャンセルせざるを得なかった人達に罪悪感を抱き、そして応援してくれているファンに心から感謝しながらも、行き過ぎた行動を制限させるベストな言葉はどれか考え抜いた結果だったのだろうーーーと優葉は考えた。
とても、李人らしい思いやりのある行動だとも優葉は思った。