君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
そう言って、和泉は可笑しそうにクスクスと笑って優葉を見ていた。
「このっ………!」
(本当に生意気なんだから………!)
「………さて、じゃ付き合ってやってもいいよ」
「えっ!いいの!?」
優葉は、てっきり和泉に何だかんだと理由をつけられ断られるとばかり思い、どう説得させようか考えを巡らせていた。
なので、アッサリと優葉を受け入れた和泉に驚いた。
「ったく………何を驚いてんの? アンタから、言ってきたんでしょ。 どこで話すかさっさと決めて行くよ。 どこがいいの?」
そう言って、和泉は呆れたように溜息をつく。 しかし………、和泉が優葉の為に時間を自ら取ってくれると即答してくれたのが嬉しく優葉は、全く悪い気はしなかった。
(川野スクールに来なかった時は、まだまだ心を開かれてないんだと思ったし依然として生意気だけど………、 やっぱり瀬名君が私を先生として信頼してきてくれてる、って思ってもいいのかな?)
「ふふっ」
それを思うとーーー優葉の頬は自然と緩んだ。
「………何が可笑しいんだか。 やっぱり、変な女」
「いいの! 瀬名君と話せるのが嬉しいんだから」
そう言って、優葉が屈託のない笑顔を和泉に向けると………和泉は、面食らったように優葉を見た。
「………んな笑顔で言うなよ」
「えっ? 何?」
和泉の声が急に小さくなり、何を言っていたのか聞こえなかった優葉はもう一度和泉に聞き返す。
「ッ、 ………何でもないよ。 提案がないならそこの河川敷でいいでしょ。ボサッとしないで行くよ」