君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
(………何で、 瀬名君はあんな事を………)
小春の心配そうな声が、届く事もなく、自身のベッドで仰向けに寝ながら優葉は何度も何度も、その事ばかりを考えていた。
(私の事が嫌いだったの?………瀬名君の悩みに何度も触れようとした事がいけなかったの? でも………)
優葉といる時の最近の和泉は、とても笑う事が多く、 優葉は、自身と和泉は教師と生徒として、徐々に良い関係を築けていると思っていた。
しかし、優葉が和泉にされたのはーーー………
「………ッ、ーーーっ………」
そこまで考えて、優葉の目には再び涙が溜まっていった。
(何も分からない……….。 瀬名君の事が………何も分からない。 どんな顔をして、これから瀬名君と接すればいいの? ううん………、寧ろ、私、瀬名君の講師として………働く事が出来るの? そして、何よりも………)
「李人君っ………」
その名前を、優葉が思わず口にした途端ーーー優葉の目に溜まった涙は、その頰へと流れ出した。
和泉の言う通り、李人以外の男性と、自身の意思が無かったとはいえキスをしてしまった優葉は………李人に対しても、合わす顔がないと感じていた。