君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

「李人君………、李人君っ………」

その想いが、溢れて止まらなくなり優葉は涙と共に李人の名前を心の奥底から絞り出すように強く言った。

(李人君が好き………。 好きで、好きでたまらない………。 でも、李人君をそう想う資格なんて私にはもうーーー)

優葉がそう思った時だったーーー。


"優葉! 今、このメッセージ見てるの?"


ーーートーク画面に動きがあり、李人からメッセージが届いた。

「………ッ!!」

優葉は、唐突な李人のメッセージに驚き、スマートフォンを床に落としてしまった。

(………しまった。私がトーク画面を開いてるってことは直ぐに、李人君側のメッセージが既読になる。私が、今まさに李人君のメッセージを見てるってバレる………!)

そして、優葉がそう焦りを覚えたのと同時にーーー李人から通話アプリを通じて電話がかかってきた。

「………ッ、どうしようッ………」

優葉は、切羽詰まった気持ちの中、どうしたら良いかまるで分からず、なんとか気持ちを紛らわせようと部屋の中をうろうろしてみるが一向にスマートフォンも優葉の気持ちも収まる気配が無い。


「でた方がいいっ………? で、でもッ………」

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